2008年10月26日日曜日

ある事件について思うこと。

ども。たです。

昨日、深夜にフジテレビで放送されていたノンフィクション、
ある事件とその弁護団を追いかけてた番組を見ました。

事件やその経過は、朝会社行く前に見てたニュースなどで
簡単に知っていたんですが、山田風太郎の「魔界転生」
がどーのこーの、ドラえもんがどーたらこーたらなんてのを
聞くにつれ、弁護団もどんだけ必死なんだ?って冷ややかに
見ていただけで、特にちゃんと考えたこともなかったんですよね。

で、昨日、やっていた放送を改めて観てみて、
「やっぱり、言っていることがおかしいぞ?」なんて
思っちゃったので、それについて。

弁護団の主義主張としては、

  ・ 被告人は、被害者に母を見ていただけ。
  ・ 母親に甘えようと、被害者に抱きつこうとしたところ、
   抵抗されたので、騒がれないようにと必死になっていたら、
   殺してしまっていた。故に、計画性はない。
  ・ 死体を姦淫したのは、山田風太郎の小説「魔界転生」
   にそういった描写があるから。
  ・ 子どもの死体を押し入れに入れたのは、ドラえもんに
   なんとかしてもらうため。

まー、自分が矛盾を感じた点を簡単にまとめると、
こんなところかと。
さてさて、メディアの報道を覚えている範囲で、かつ簡単に
まとめてみただけなので、嘘は多分に含まれている可能性を
ぬぐい去ることはできませんが、このことを知っていた人も、
知らんかった人も、これを見て何を思うのでしょうか。

言っていることが荒唐無稽で馬鹿げている?
育ってきた環境などを考えるに、あり得るのでは?

肯定派、否定派、それぞれの感想を端的に述べると
こんな感じなのかな?
ま、自分は、被告ではないので、その真偽のほどは
分かりませんが、この証言は少なくとも大きな矛盾を
抱えていると思います。

いやいや、全てが矛盾だらけだ!という方、
少なくとも人それぞれ考え方など微妙に違うのです。
それに、全てが嘘だ!と言っているだけでは、
話は平行線を辿るだけで、一生交わることはありません。

…と、偉そうなことを書いてますが、自分だって、
被告の証言の全てが受け入れられるものではありません。
だからこそ、その中のひとつでも受け入れた上で、
その証言の矛盾を突く必要があるんじゃないか?と
思うわけです。

というのも、自分の意見なので、「いや、違う。」という人は、
当然いるのでしょう。ま、それはそれで良いです。
そういう人もいるんだなー、程度に認識してもらえれば幸いです ^^;

さて、そろそろ本題に入ります。
自分が矛盾を感じる点についてです。

まず、弁護団が繰り広げている「母体回帰ストーリ」
ってやつについて。

なるほど、殺人に至ってしまうまでの心理描写が被告の言う通り
であれば、成り立つのかも知れません。
が、その後の行動がこれを完全に否定していると思うのです。
それが、「魔界転生」になぞらえた行為にあるわけですが、
本当に被害者に母親を見ていたのなら、そういう行為に
及ぶのだろうか?と素朴に思うわけです。

襲いかかった時点で、どこまでのことを考えていたのかは
分かりませんが、この被告は明らかに被害者に「女性」を
見ていたはずです。少なくとも母親だとは思っていない。

これに考えられる反論は、「それだけ、復活してもらいたかった。」
ってところかな。

ま、それすらおかしいんですけどね。理屈として。
それが、2 点目に感じた矛盾点です。

それは、母子で、それぞれに違う対応をしているのは、
なぜか?という点。
いかに異常な心理状態にあったとしても、そこには、
一貫した論理ってものがあると、個人的には思うのです。
正常な判断を失っていたとしても、いくら社会通念上
間違っていたとしても、そこにはその人間を貫く真理が
あるはずだろうと。

それが、今回においては、死んだ人間でもある行為をすれば、甦る。
押入れには、ドラえもんが住んでいる。という辺りにあるわけですが、
実は、この 2 つは、それぞれが単独では、異常心理で片付けられても、
2 つ揃うとある矛盾が見えてくると思うのです。

というのも、母親に対しては、前者を選択し、子どもに対しては、
後者を選択したという事実。

さて、本当に被告がドラえもんを信じていて、ドラえもんがなんとか
してくれると思っていたのなら、両者ともに押入れに入れておけば良く、
何も前者の行動をとる必然性はないわけです。
そこから、明らかに被告は、被害者を「性の対象」としていた
と考えられ、そういう意味でも「母体回帰ストーリ」なんてのは、
成り立たないと思います。

この素朴な疑問を被告にぶつけたならば、被告は何と言うだろうか?
自分の納得できる答えを用意してくれるだろうか?

また、被告は、他の人々が死者を蘇らせていないということに
何も疑問を抱いていなかったのだろうか?
「魔界転生」になぞらえた行為や、押し入れに入れておくだけで
死んだ人間がなんとかなるなら、「なぜみんなそうしないのか?」
とか考えたりは一度もしなかったのだろうか?

ま、それは、それで、異常心理で片付けられるから良いや。
その瞬間にそれを思い出して、そんな疑問思いつきもしなかった。
で、こっちは反論できなくなっちゃうからね。

まぁ、もう刑も確定しているみたいだし、もう良いじゃないか。という意見も
あるでしょうが、被害者遺族の心理を考えるに、本当にそれで良いのか?
とも思うわけです。

解釈はいかようにもできるが、真実は一つ。
裁判は真実を争う場所ではなく、あくまで事実認定を争う場所。
とは言うものの、いくらなんでもあれは酷い。
「死刑」という刑罰自体の是非は、別の場所で争うべきだと、
個人的には思う。

ま、ただ、弁護士ってのは、どんな被告であっても守らなければ
ならない、というのは理解してあげるべきだとも思います。

今日は、ちょっと堅苦しい話になっちゃいましたね ^^;

そんなこんなで。
では。

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