2009年2月8日日曜日

ターゲットインフレ

ども。たです。

一部の評論家を中心に、政府紙幣発行による
いわゆるターゲットインフレをやったらどうだ?
という声が上がっているらしい。

基本的にそういう円の信頼低下を招きそうな政策には
反対であるが、日本に関して言えば、未だ底を見せぬ
CDS による世界的金融不安に、昨年夏からの円高による
影響が相まっての不況であるだけに、意図的に
円の信頼を失墜させ、円安に振れさせるというのは、
理にかなっているような気がする。

また、政府紙幣を発行するということは、市場に
流通するお金の量が増えるということであり、
どう考えても、このままだとデフレに向かう世の中に
あっては、なかなかに都合が良い。

ま、問題は、一度失墜した信頼が、果たして回復するのか?
というところにある気もするが、今回の不況に関しては、
これが一番即効性のあるカンフル剤のような気がする。

つい数年前まで、デフレの中にあった日本が、ここ 1 ~ 2 年程、
好況へと移行する経過措置としてのスタグフレーションにあった
と思っていたところでのこの不況。
かなり厳しいというのが、実情だろう。

これから待っているのは、まず間違いなくデフレスパイラルである。

少なくとも、その第 1 弾は、もうすでにお目見えしている。
それは、相次ぐ企業の赤字転落に伴う人員整理であり、
給与削減措置である。

しかも、専門家的に言わせれば、まだまだ底は見えないとのこと。
となれば、消費者の財布のヒモも固く閉まり、なかなか消費には
回らない。

そうなれば、企業も収益があがらず、ますます人員整理、
給与削減を進める。

そうすることにより、さらに消費者の財布のヒモが固くなる、、、
という具合に。

まー、今回に関しては、日本的には、円高不況という
色合いが強い点からしても、電機業界や自動車産業のような
輸出企業は壊滅状態に近いものの、食品系の輸入業者などは
かなり利益を上げていそうな面もあり、そういう人たちが
消費してくれる可能性があると考えれば、2000 年頃の
不況と比べて、まだマシなのかもしれない。

しかし、円高不況であるなら、政府紙幣発行 -> 市場に円が
溢れる -> 円の価値希薄化 -> 円安に振れる + インフレ傾向
-> 輸出企業収益正常化 + 雇用、給与所得回復 -> 消費が
正常に復帰、というシナリオは描けないのだろうか。

ターゲットインフレに関しては、インフレが過度に進むことが
懸念されるが、20 兆円程度の市場注入なら、デフレを
かろうじて留まらせる程度で、個人的に過度のインフレに
向かうことはないと考える。

というのも、定額給付金、日本国民 1 人につき 12,000 円
を配るのに約 2 兆円の予算が必要というところから考えて、
20 兆円なら、一人頭 12 万程度だろうし、その程度で、
過度のインフレには向かうまい。

まー、この辺に関して、自分は完全に専門外なので、
都合の良い妄想も含まれているとは思いますが、
「政府紙幣発行によるターゲットインフレ or デフレ阻止」
自分はアリだと思います。

麻生首相は、慎重姿勢らしいが、そこに関しては、
何も言えない。目先のことだけを考えれば、
先に述べたように良いことの方が多いと思うが、
長い目で見たときに、日本円の国際的信頼低下
という、かなり大きな負の遺産が残るからだ。

金融政策に対して、依然として難易度の高い
舵取りが要求されるのは想像に難くない。
だからこそ、その船頭は国民に選ばせてもらえないモンだろうか。
自分たちが選んでいない船頭に命は預けられない。

まー、でも駄々っ子のように、舵にしがみついちゃうんだろうね。
泣いても笑ってもあと 7 ヶ月。
首を洗って待っとけ!

そんなこんなで。
では。

0 件のコメント: