2008年8月10日日曜日

dB という単位

ども。たです。

アナログエンジニアたるもの、dB (デシベル) という単位
で会話できないとバカにされます。

この単位、さすがに聞いたことない人はいないですよねw
音の単位とかは dB だし。

で、この単位って何か基準があって、それとの比を
対数を取って、さらに 10 倍したものという、結構ややこしい
構造をしているんですよね。

式的に表すと、こう。

  dB = 10 * log (A/B)  [∵ B :基準となる値]

ちなみに、ここでいう A や B は、物理で言うエネルギーのことで、
単位的には W (ワット) で与えられます。
#電球とかでよくみるのと同じ。

ここで、デシベルの『デシ』は、dl (デシリットル) の『デシ』と
同じで、「10 倍してます。」ということを示しています。
B (ベル) では、単位として大き過ぎるということですね。

我々アナログエンジニアの場合、電力よりも電圧で
会話することが多く、電力は電圧の二乗に比例するので、
対数の性質を利用して、

  dB = 20 * log (A/B)

で与えられます。

  log x^2 = 2 * log x

ってルールなんですけど、高校で習いましたよね ^^;

ちなみに、この dB という単位がどこで良く見られるかと
いうと、アンプのゲインとか、フィルタの特性とかで、
前者は、電圧量として、後者はエネルギーとして扱われる
ことが多いかな。

で、これらに関しては、基準となる量は、アンプなら、
アンプの入力、フィルタも同じくフィルタの入力なんで、
明確なんですけど、音の場合、基準は何なんだろー?
って、今日ふと思ってしまったので、調べてみましたw
ってのが、実は今日の本題。

音って、そいつが音の発生源である場合、ハッキリ言って、
入力と呼べるものがないですよね?
ってわけで調べてみたんですけど、音の絶対量としての単位も
やはり存在しており、音圧として与えられるその単位は、

  Pa (パスカル) = N/m^2 (ニュートン毎平方メートル)

で、これは、単位面積 (1m^2) あたりにどのくらいの力が
加えられるか、ということを示しています。
#気圧の単位と同じやね。

これをどうやって dB 換算するか、、、ということですけど、
基準は、人の耳に聞こえる最小の音圧として、

  2 × 10^-5 [N/m^2]

が、採用されているみたいです。この場合、圧力は、
エネルギー量ではないので、20log の方に代入する形になります。

ちなみに、身近な例として、

  20dB : 木の葉のすれあう音、置時計の秒針の音 (正面 1m)
  40dB : 市内の深夜、図書館、静かな住宅の昼間
  60dB : 静かな乗用車、普通の会話
  80dB : 地下鉄の車内、電車の車内、ピアノの音 (正面 1m)
  100dB : 電車通過中のガード下の騒音
  120dB : 飛行機のエンジンの近く

という感じみたいです。なぜ、20dB 置きに例を挙げたか、、、
というと、その方がこの後の計算が楽だからw

  dB = 20 * log (A/B)  [∵ B = 5 × 10^-5]

なので、木の葉のすれあう音 (20dB) がどれほどの絶対量かというと、

  20 = 20 * log {A/(5 × 10^-5)}
   1 = log {A/(5 × 10^-5)}
  10^1 = A/(5 × 10^-5)
  ∴ A = 5 × 10^-4 [N/m^2]

となり、図書館の音 (40dB) は、

  40 = 20 * log {A/(5 × 10^-5)}
   2 = log {A/(5 × 10^-5)}
  10^2 = A/(5 × 10^-5)
  ∴ A = 5 × 10^-3 [N/m^2]

となります。何となくルールがつかめてきましたかね?
勘の良い人なら分かるでしょうか?dB という単位は、
20dB ごとに絶対量は 10 倍されるという特徴があります。
#当然 20log の場合。。。

つまり、100dB となる地下鉄のガード下で、1 [N/m^2] となり、
これは、音圧が大気圧と等しいくらい大きな音、ということになり、
120dB の飛行機のエンジン近くだと、10 [N/m^2] で、
大気圧の 10 倍もの圧力がかかることがわかります。

飛行機のエンジンの音を人が聞き取れる一番小さな音と
比較すると 10^6 倍、すなわち、100 万倍も大きな音
ということになるのです Σ( ̄□ ̄;)!!

ちなみに、人間の感覚的には、音が小さいところでの変化は
絶対量以上に大きく感じ、音が大きくなるにつれ、だんだん鈍感
になっていくようなので、dB という単位ととても相性が良い
みたいです。

ただ、この dB という単位。結構感覚としてわかりずらいんですよねw
例えば、アンプのゲインが 40dB と言われても、自分的には???
なワケですw

あ、まあ、40dB くらいなら、単純なんで一瞬で「100 倍かー。」とも
なるのですが、+20dB で 10 倍、、、というだけでは、ざっくりと
しすぎなワケです。

ここで使えるのが、log 2 = 0.3010 という関係で、

  20 * log 2 = 6.02 dB

というところから、+6dB で約 2 倍となることがわかります。

なので、48dB は、48 = 6 × 8 ゆえ、2^8 で、256 倍だと
一瞬とはいかないまでも直感的な数値に直せるようになる
わけです。
#48 = 20 + 20 + 6 + 2 で、10 × 10 × 2 + α = 200 + α
#でもおkでつ (・∀・)

以上、音の単位、dB について。
ちょっとは分かっていただけたでしょうか???

そんなこんなで。
では。

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