2008年8月24日日曜日

ポイント商法のカラクリ

ども。たです。

「向こうのヤ○ダさんだと、ポイント ○% 還元で ○円なんですけど~。」
このセリフを研修中に何度聞いたことか。。。
ま、1 年以上前の出来事なんですが、ちょっと思い出しちゃったんで、
このポイント商法ってヤツについて、少し扱いたいと思います。

自分の行った研修先は、ポイントのないお店だったので、
こういう交渉が後を絶たなかったんですよね ^^;
例えば、10 万円のテレビがポイント 10 % 還元の場合、
その商品は 9 万円相当である。
これは真ですか?それとも偽ですか?


こういう聞き方をしている以上、勘の良い人は分かると思いますが、
答えは当然、「偽」です。
理由は簡単、「ポイント ≠ お金」だからです。
これだけで、「そうか!」となる人は、相当に賢いんでしょうが、
ま、普通はこれだけじゃ不十分だと思うんで、ちゃんと説明します。

まずポイントがお金じゃない以上、以下のような特徴を持ちます。

1. そのお店でしか使えない。
2. ポイントで購入したものには、ポイントはつかない。

まぁ、1 はこの際どうでも良いとしましょう。
問題は 2 です。

例の場合、10 万円のテレビを 10 台購入したとします、
その場合、ポイントでもう 1 台買えますよね?
つまり、100 万円で、11 台テレビを買うことができ、
ポイントは使い切って 0p という状態になります。

ここから 1 台あたりの値段を割り出すと、

100 万 ÷ 11 台 = 90,909 円 / 台

となり、約 9 万 9 百円と分かります。
ちょっと考えりゃ分かることなんですが、お店側も
10 万円で 10% 還元だから、10 万 × 0.9 = 9 万円ですね。
なんて、電卓叩いて見せてくるので、こっちも
「そうか~。」って勘違いさせられちゃうんですよね。

あれ、販売員も意図的にやってるはずです。ご注意ください。

さて、では、正確な割引率を知るには、どうすれば良いでしょうか?

いくつか例を考えてみましょうか。

case1) 10 万円の商品が 10% ポイント還元の場合

1 台買うごとに 1 万円のポイント。
ポイントでもう 1 台手に入れるには、10 台買えば良く、
それにかかる費用は 100 万円。
ポイント購入分も含めると、100 万円で 11 台購入可能。
つまり、
    100 万円 ÷ 11 = 9.0909 万円

また、実質割引率は、
    10 万円 - 9.0909 万円 = 0.90909 万円
から、今回は基準が 10 万円なので、
    0.90909 万円 ÷ 10 万円 = 0.090909
よって、約 9.091% となる。


case2) 10 万円の商品が 20% ポイント還元の場合
1 台買うごとに 2 万円のポイント。
ポイントでもう 1 台手に入れるには、5 台買えば良く、
それにかかる費用は 50 万円。
ポイント購入分も含めると、50 万円で 6 台購入可能。
つまり、
    50 万円 ÷ 6 = 8.3333 万円

また、実質割引率は、
    10 万円 - 8.3333 万円 = 1.6667 万円
から、今回は基準が 10 万円なので、
    1.6667 万円 ÷ 10 万円 = 0.16667
よって、約 16.667% となる。


case3) 10 万円の商品が 50% ポイント還元の場合
1 台買うごとに 5 万円のポイント。
ポイントでもう 1 台手に入れるには、2 台買えば良く、
それにかかる費用は 20 万円。
ポイント購入分も含めると、20 万円で 3 台購入可能。
つまり、
    20 万円 ÷ 3 = 6.6667 万円

また、実質割引率は、
    10 万円 - 6.6667 万円 = 3.3333 万円
から、今回は基準が 10 万円なので、
    3.3333 万円 ÷ 10 万円 = 0.33333
よって、約 33.333% となる。


case4) 10 万円の商品が 100% ポイント還元の場合
1 台買うごとに 10 万円のポイント。
ポイントでもう 1 台手に入れるには、1 台買えば良く、
それにかかる費用は 10 万円。
ポイント購入分も含めると、10 万円で 2 台購入可能。
つまり、
    10 万円 ÷ 2 = 5.0000 万円

また、実質割引率は、
    10 万円 - 5.0000 万円 = 5.0000 万円
から、今回は基準が 10 万円なので、
    5.0000 万円 ÷ 10 万円 = 0.50000
よって、約 50.000% となる。


ケーススタディとしての実質割引率はご理解いただけたでしょうか?
当然ながら、ポイント還元率ごとに実質割引率は違います。
しかも、ポイントの還元幅が大きくなればなるほど、
実質割引率とそれとの間の差は大きくなっています。
#これは、とても面白い結論です。

とても極端な話ですが、同じ商品を 10 万円、10% ポイント還元
で買う場合と、18 万円、50% ポイント還元で買う場合、
販売員から見せられる電卓上の数字は同になりますが、
実際の割引率を考えるに、後者の方は大損していることになります。

ここから、これらを一般化して行きます。

case5) x 万円の商品が α% ポイント還元の場合
1 台買うごとに (0.01 × α) × x 万円のポイント。
ポイントでもう 1 台手に入れるには、
    x ÷ (0.001 × α) × x = 100/α
より、100/α 台買えば良く、
それにかかる費用は x × 100/α 万円。
ポイント購入分も含めると、100x/α 万円で、
(100/α) + 1 台購入可能。
つまり、
    100x/α 万円 ÷ {(100/α) + 1} = 100x/(100 + α) 万円

また、実質割引率は、
    x 万円 - 100x/(100 + α) 万円 = αx/(100 + α) 万円
から、今回は基準が x 万円なので、
    αx/(100 + α) 万円 ÷ x 万円 = α/(100 + α)
よって、約 100α/(100 + α) % となる。


うん。結構単純な式に落ち着きましたね。
ちょっと確かめ算でもしてみましょうか。

α = 10 の場合、9.091% と case1 で分かっているので、
これを利用して、case5 の式に代入すると、
1000/(100 + 10) = 9.091 %

同様に、
α = 20 の場合、16.667% と case2 で分かっているので、
これを利用して、case5 の式に代入すると、
2000/(100 + 20) = 16.667 %

α = 50 の場合、33.333% と case3 で分かっているので、
これを利用して、case5 の式に代入すると、
5000/(100 + 50) = 33.333 %

α = 100 の場合、50.000% と case4 で分かっているので、
これを利用して、case5 の式に代入すると、
10000/(100 + 100) = 50.000 %

より、正しそうなことはご理解いただけますよね ^^;

また、ポイントで買う確率の高い、消耗品系ってのは、元々
お店側にとって利益率が高いように設定されているので、
どちらにせよ、お店側は損をしないようにできているわけです。
これは、1 の『ポイントはそのお店でしか使えない』という
特徴を利用しています。

「どうせポイントで無料で買えるから、少々高くっても。。。」
という心理を逆手に取っているということですね。

以上、本日は、ポイント商法のカラクリについてでした。

あ、明日、高校時代の友人数人と、久々の集まりを兼ねて
お台場散策にいくことになりましたー。
もう良い年だけど、かなり楽しみー ^^

そんなこんなで。
では。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ポイント使ってもポイントつくんですがそれは。