2009年7月5日日曜日

 
夢を見た

そこにはいつもと変わらない日常・・・

いや正確に言うと

数年前の日常があった


庭には晩年の弱り切った愛犬がおり

私は愛犬にトイレをさせるため

いつもの空地へと向かうべく愛犬を抱き上げた


晩年ということもあり身体中痛いのか

空地へと向かう途中も

ときおり愛犬の口から控えめな悲鳴が漏れる

私はいたたまれない気持ちになりながらもどうすることもできない


空地へ着く頃

愛犬の悲鳴はピークに達し

もうかわいそうで我慢もできず

『さぁ着いたよ』

と愛犬を地面に下ろす


その途端

愛犬はトイレを始め

『あぁ あの悲鳴にも似た鳴き声はトイレを催促していたんだな』

と知り

少し安心する


ふと横を見ると

姉がおり

私はこの夢の始まりからずっと気になっていたことを尋ねた

『ねぇ ここにチャッピーがいるんだけどさ・・・』

『他の人にも見えているのかな?』

すると姉は少し考え

こう答えた

「ううん 見えないよ」


夢の中の自分も受け入れていはいたのだろうが

突然突きつけられた現実と

誠実に答えてくれた姉の優しさに

涙があふれた


姉は別段不思議がるしぐさもなく

こう訊き返してきた

「ねぇ チャッピーは今 何してる?」

『うん ここ (側溝) の匂いを嗅いでる』

「・・・ヒナはどうしてるのかな?」

『あいつはさ めったに (夢に) 出てきてくれないから・・・』

最後の方はもう声にならない


隣りから

「そっか・・・」

という声が聞こえ

頬をつたう涙に私は目を覚ます


不思議なことに

目が覚めた自分に夢の中の自分ほどの悲しみはない

それよりも

夢とはいえ

久々に愛犬を抱き上げることができたという

充実感で満ちていた・・・
 
 
 

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