2025年2月23日日曜日

愛しき名もなき仔。

 ども。たです。


超絶お久ですw

このブログを特に掘り起こす気は全くなかったんですが、

このことだけは書いておきたいと思い、久々に筆を取ります。。

どうしたって人は忘れていくから。

命の価値は死後にどれくらい思い出してもらえるか、

どれだけ悲しんでもらえるかだと思うから。


たまたまここに飛んできてしまった人は、湿っぽい話が

苦手であれば、ここで引き返してもらうことをおすすめします。。

#つってもそんな人片手で数えるほどもおらんと思うわけですが。


というわけで本題。。


その仔が自分の前に現れたのは年明け最初の三連休の前の

金曜日 (1/10) あたりだったように思う。

近所に野良猫が多くいるのは前から認識していた&うちの庭は

日当たりもよくたま〜にそんな野良猫が日向ぼっこしていたりも

するのだが、その仔は早朝 (7時台くらいだったろうか) のまだ

日の当たっていない時間に窓の外でこちらを向いて鎮座していた。


たいてい野良ちゃんは、レースのカーテンを開けてこちらが姿を表すと

即座に逃げ出すわけだが、その仔は、待ってましたとばかりに立ち上がり

近寄ってきたので、少しびっくりしてそのまま窓を開けてしまったのを覚えている。

窓を開けてもその仔は逃げることなく、しかしながら期待していた人とは

違ったのか、初対面の挨拶は「シャー」という明確な威嚇であった。

#後にも先にもこの仔に威嚇されたのはこのときだけだったように思う。


威嚇はするものの、逃げる気配はなく、こちらが少し距離を取ると「にゃあ」と

何かを訴えかけてくるような声で鳴くので、ひょっとしたらこの仔は女の子で

妊娠か何かしてて自分一人ではお腹の中の子どもまで養えるような栄養の

あるものを獲得できず、やむにやまれず人を頼って来たのでは?と考えた。


たまたま前日の夕食のキンメダイの塩焼きの皮がまだ残っており、

(塩分は気になるものの) 栄養価も高そうだし、他にあげられるものも

なかったので、これで居着いてしまうようなら飼ってしまえば良い、

という数秒の考慮の後、それを与えた。

猫はそれを咥えて車の下に持っていくと美味しそうに食べていた。

食べ終わるとまた戻ってきて、「もっと(ΦωΦ)」という顔をしていたので、

「もうあげられるものないんだよ〜。」と言いながら、エネルギー効率が良いのは

炭水化物だろうと炊飯ジャーの中から白米をお茶碗 1/8〜1/4 ほど取り出して

あげたのを覚えている。


当時はお互い初見でまだ信頼がなかったのもあり、食べ物を乗せている手を

必死にひっかきながら自分の元に手繰り寄せていたので、手の甲には

ひっかき傷ができてしまった。

その日はそれ以上与えられるものもなかったので、触ろうとしても

猫パンチで撃ち落とされるのが関の山だし、そのまま窓を閉めて、

その仔の様子を見ていた。


しばらくまだ何かもらえないか、とこちらを見ていたが、一旦満足したのか、

諦めたのか、いつの間にか居なくなっていた。お腹が空いていたであろう

朝イチの訪問はそれで良いとして、日当たりの良い時間に現れないので、

なんとなく不思議に思ったのを覚えている。

#日向ぼっこしながら下僕からの献上品を待つほうが一石二鳥じゃん?w


その日からその仔はほぼ毎日早朝を狙ってうちに現れることになるのですw


次の土曜日もリビングのシャターを開けて、しばらく待ってると

外にちょこんと座るその仔の影が見えた。そのときに何をあげたのかは

もう忘れたが、2 日目にして、ごはんを食べてるときにはちょこっと

触らせてくれるようになっていた。が、他に集中するものがないと、

やはり猫パンチで迎撃され、気がつけば右手か左手か忘れたが、

出血しており、その仔を撫でたときに、その仔の耳の部分に、

少しだけ自分の血が付いてしまったのを覚えている。


三連休だったので、日、月も遊べると目論んでいたものの、

日曜は、朝シャッターを明けると車の下に控えていたものの、

手を伸ばしても寄ってくることもなく、こちらもお腹が空けば

また寄ってくるだろうと考え寒いのもあり窓を閉めてたら、

いつの間にか居なくなっていた。そしてなぜか月曜は現れなかった。


「やっぱり触んの早すぎたかな?」と少し後悔していたら、

火曜には何事もないような顔をしてまた窓の外でちょこんと

座って窓が開くのを待っていた。

そこからはもう二人の間に食べ物は不要だった。

手の甲をその仔の前に差し出すとくんくんと匂いを嗅いで

頭をこすりつけてくる。これがその仔の触って良いよ、の合図だった。


ちょっと日が空いて現れたその仔の耳からは自分の血の跡は消えていた。

そもそも野良にしては、毛並みもきれいで、ノミやダニも居るように見えない。

「この仔は飼われているか、自分以外にも誰かが面倒を見ている。」と

その頃からぼんやりと思い始めていた。

#その謎は約ひと月後に解けることになる。。


そこからは、本当に毎日遊びに来たわけだが、毎日早朝に一度現れるきりで

会社がある日は、5〜15分程度で自分が時間切れになってしまうのと、

休日も 30 分も遊んでると他の猫も活発に動き出すようになり、

身体が小さかったその仔は、近隣でも一番小さい仔だったのか、たまに

他の猫に追い回されている姿を見たり、自分と遊んでいても物音に敏感で

他の猫が近づいてくるとその場から逃げ出すようなことが続いていた。


あまり仲の良い子も居ないのなら、やはり良きところで保護しよう。

そう考えるのにそれほど時間はかからなかった。

この仔自体がちゃんと慣れるのと、この仔を可愛がってくれている

誰かに仁義を通すのに約 3 ヶ月かな、なんて個人的に見積もってました。


朝しか姿を見せてくれないので気をつけていたのだが、休日に寝坊したりで

10時とか11時に起きると、もういつもの場所に姿はなかったときがあった。

このときは「まずった。。思う存分遊べる貴重な一日を無駄にしてしまった。」

と後悔していたが、たまたま窓の外を眺めていたら、近所を歩いてるその仔

らしき姿があり、窓を開けてポンポンとサッシの部分を叩いたところ、気付いてくれ、

「なんや、今日はこんな時間までおるんや(ΦωΦ)」みたいな顔をした気がしたが、

すぐには寄って来ず、自分が諦めてリビングでくつろいでたら、

「こんな時間にもおるんやったら言ってーな(ΦωΦ)」な感じで窓の外に

いつものように現れてくれたので、その日は本当にその仔が飽きるまで遊んだ。


以降、毎日早朝1回の営業だったのが、早朝に現れてちょっと遊んだら、

縄張りのパトロールにでかけ、それが終わると温かい時間に再度現れる

ようになった。かなり慣れてきたなーと感じた瞬間でもあった。

この頃はもう背中も見せてくれるようになっていたので、こちらにおしりを

向けた際に○玉が見え、「お前♂か!」とちょっとびっくりしたのを覚えている。


というのも、その仔は茶トラの子猫だったのだが、濃い茶、薄い茶、白の三毛だから、

九分九厘女の子だと思っていたのである。

#後に調べてみると茶トラちゃんは8割が男の子になるらしい。


そして迎えた 2/8〜11の飛び石連休。土曜だか日曜だかにいつものように

その仔を撫でて遊んでいると、近所の人がゴミ捨てに通りかかり、こちらに気付いて

「その仔飼いませんか?」と声を掛けてきたのである。


そもそも自分は「その仔噛みませんか?」と聞こえていたので、

「(まぁ、素人相手にはそうやろw)」と「あー、まぁそうですね。」みたいな、

全く噛み合わない会話になっていたのだが、よくよく話を聞いてみると、

この仔に餌を与え、夜は寝床も用意し、寒くないように毎晩湯たんぽも

準備してくれてたようで、もちろん飼いたいのは山々なのだが、既に室内犬を

2匹飼っており、もうこれ以上はダメ、と奥さんから言われてしまっているとのこと。


そんだけ懐いてるなら、いっそのこと飼ってくれないか?ということだったので、

もちろん考えている旨を伝える。その後ちゅ〜るを数本持ってきてくれ、

遊びに来たらあげて欲しいと言われて、ありがたくその好意を受け取った。

もらったその日にまず一本あげてみたわけだが、ヤバイ食いつきで、

こちらが絞り出す時間を待てずにガシガシと外包を噛み切りながら食べてたので、

飲み込んだらいけないと口の中から取り出そうとした際に、初めて本噛みされ

ちょっと指先が流血しました(´・ω・`)


で、連休明けの次の休み、この頃にはあまりにここまで遊びすぎたのか、

慣れたのか最初の1、2回撫でられているときにしっぽを立ててブルブルと

身体を揺らし嬉しいこと伝えてくると、そのまま少し離れたところに座って、

もうあまり触ってくんな、な雰囲気出して来てたので、気分屋さんの猫氏に

嫌われてもアレなので、そうなったらあまり触らず静観するようにしていた。


2/15 の朝 7 時前くらいにリビングのシャッタが開くと、もうお待ちに

なられてたので、いつものように数回撫でると、ちょっと縄張りパトロールしてくるよ、

な雰囲気でそのままぐるっとうちの周りを一周しに行ったので、その日

ちょっと中途半端な時間に寝てしまい、2時か3時からずっと起きていたので、

戻ってくるまで(温かい時間になるまで)少し仮眠しようとそのままリビングで

横になった。


9時前か10時前に起きると、それまで隣の家のところに居たと家族が言うので、

そこを見てみると、もうそこに猫の姿はなかった。


それでも、温かい時間になれば戻ってくると信じていたし、その日までは

そうだったのだが、その日に限ってはそうはならなかった。朝イチに

現れたっきり、その後姿を見せることはなかった。


次の日の日曜も、その次の日の月曜も全く姿を見せないので、心配して、

水曜にその仔の面倒を見ていた近所の方に聞いてみたところ、

土曜か日曜に車に轢かれて亡くなったということであった。

犬の散歩中に連れいてた犬が異常に吠えるので、何事かと思って見に行ったら、

変わり果てた姿になったその子が道に横たわっていたらしい…。


その仔は、自分の地域のペット用火葬場で火葬され、その日に

その人の家に戻ってくるということであった。


その日の業務は

「あの仔は何を考えながら亡くなったんだろう?」とか

「あの仔は幸せだったんだろうか?」とかとりとめもないことを考えながら

大分どんよりとして過ごしたわけだが、実は、自分も完全に近所の猫と

その仔の見分けが付いているわけではなく、自分に寄ってくる茶トラが

その個体と認識しているので、亡骸ではワンチャン判断できない説と、

それならなぜ、もう我々の前に姿を表さないのか?に関しては、オス猫は

近親との交配を避けるため、生後半年〜1年程度で親兄弟の記憶も失くし

テリトリーを変えるらしいので、その時が来ただけと考えるようにしている。


これがこの約ひと月の間で起こったこの仔との出会いと別れの物語である。

ここまで読んでいただいた方に、自分と同じようにこの仔が日本の片隅で

生まれて、頑張って生きていたことの証人になっていただければと思い、

数少ない画像ではあるが、共有させていただきたい。


#サッシが汚いとかのガチ指摘はいらないw

この左手はなんと撮影している自分の手に添えられています
#拡大して瞳に反射している世界を見てもらえば分かるかもw

何してる人間、撫でて良いんだぞの顔

朝早いので「今日も寒いっすね」の顔w

近くに居るのに触ってこない人間に対して何か考え込んでますw

おい人間、今は気軽に触るんじゃねーぞ、の図

このウデの2本線がこの仔の特徴かな?

ん?どうした人間?な顔


日当たり最高な時間にゆっくりくつろいでいる猫様


明朝で現れなくなってちょうど 1 週間。猫様の気まぐれなら 2 週間程度が、

保護団体に一時保護され桜耳になって帰ってくるのなら約ひと月コースかな?

と思っているので、3/E まではまだ生きてると思い込む予定です。


そして今朝、まどろみの中で見た夢。。


〜〜〜〜

庭に出て仔猫を探す自分。

いつもの場所には居ないので、いそうな場所を探していると見えないところから

ネコの鳴き声が。


鳴き声は自分の横を通り過ぎ、いつもの場所で止まる。

「戻ってきた!」と振り返るもそこには当然姿はない。


まるで

「人間、僕はずうっとここにいるよ!」

とでも言っているように…

〜〜〜〜